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その39 稚児岩と硯(すずり)石の話

前に、蛙(カエル)の形をした雨乞いの石「びっき石」の話をしましたが、実は、信夫山には、もう一つ有名な雨乞いの岩があったのです。それが信夫山48石の一つ「稚児岩」です。
現在、東陵高校の西、グラウンドの上あたりに、大きな孤立岩があります。岩の上がちょうど舞台のように平らになっていて、昔は、そこが稚児の舞台でした。
田んぼの水が枯れると、周辺の農民が集まって雨乞いの祈祷(きとう)を行い、稚児さん(児童)がその上で踊りを奉納したと伝わっています。

驚くのは、その岩の上に、さらに2メートルほどの四角い岩が乗っていて、それが「弁慶の硯石」だというのです。確かに硯のような形をしています。さすが弁慶だけあって硯も大きいですね。
もっとびっくりしたのは、稚児岩の左の小さな池(たんたら清水の下流)を見たときです。すごい数の蟇蛙(ヒキガエル)が、池に産卵をしていました。年に一回、信夫山の全山から蟇蛙が集合するそうです。驚き!
もうひとつ、48石では、信夫山のトンネルの北側にも、神楽岩(ぼたもち岩)という大岩があって、やはり稚児が舞う雨乞いの岩だったそうです。
周辺には、さらに馬石、蛙石、二十三夜石、転び石等の巨岩があったそう。信夫山は本当に不思議な山なのですね。