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その17 信夫山の狐塚の話

信夫山トンネルの入り口右側に税務署がありますが、その周辺を狐塚といって、昔、信夫の三狐が集まっては、人を化かす相談をしていたところだったといいます。
例えば「一盃森の長次郎」です。この狐はとても頭が良くて、どんなにだまされまいと頑張っても人間は出しぬかれて、コロリと化かされてしまうのでした。
ある日、様子をうかがっていた馬子の目の前で長次郎が葉っぱを頭に乗せてくるりと三回転すると、見事に美しい嫁子に化けました。そして山を降りて庄屋の屋敷に入って行ったのです。

庄屋はかわいい娘が帰ってきたと大喜び、さっそくごちそうを並べだしたのですが、そこに馬子が飛び出し、今日こそ狐の正体をあばこうと大騒ぎに。庄屋を説き伏せて嫁子を納屋に押し込め、松葉でいぶします。
しばらくして納屋から出してみると、嫁子はぐったりとして死んでしまった様子でした。驚いた庄屋は怒り狂い、娘のかわりにお前の命をもらうと怒鳴り散らします。真っ青になった馬子は平謝り。通りがかった僧がとりなし、おわびに頭をそって丸坊主になり、命からがら退散したのでした。それを物かげから見て大笑いしていたのが僧に化けた長次郎狐でしたとさ。
次は、意地悪な「石が森の鴨左衛門」の話です。どうぞお楽しみに。