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その16 信夫山五つ石の話

信夫山といえば信仰の山。昔から信仰にまつわる伝説や伝承が数多く残されています。今回のお話は、信夫山48石といわれる不思議な形の岩の伝説です。昔は、信夫山を信仰する人は誰もが知っていて、敬ったり怖れたりして大切にしていた霊石でした。
48石は信夫山のあちこちにありましたが、例えば、皆さんご存知の第一展望台の上には、「五つ石」といわれる奇岩があります。江戸時代までは、西の羽山は女人禁制の厳しい修験の山だったのですが、そこに修行に来ていた若い山伏僧を追って、母親が一つ手前の寺山(第一展望台)に小屋を作って息子の帰りを待ちわびていました。

何年待っても、若い僧の修行はなかなか終わらなかったそうです。そのうちに母親は歳をとって、いつの間にか熊野のババと呼ばれるようになり、ついに待ちくたびれたババは力尽きて亡くなってしまったのです。
そのババは、5匹の白犬を飼ってかわいがっていたのですが、その犬たちはババが死ぬと、悲しくて七日七晩吠(ほ)え続け、とうとう石になってしまったそうです。
五つ石を後ろから見ると、羽山を見つめる5匹の犬の形が、悲しくも並んでいるのですね。
今は、道路整備などで多くの石が失われています。