今週から始まる「わらじいと行く信夫山散歩」。約一年をかけて、信夫山のあらゆる情報を発信していきます。信夫山のことなら何でも知っている、私「わらじい」の話を期待してください。
まず、信夫山を知るには、地理を勉強しましょう。大きさは一周約7㌔㍍。これはなんと皇居と同じ大きさ。びっくりですね! そして、東西の長さは2・4㌔㍍。大わらじが奉(まつ)られている羽黒山を中心に、西に鴉(からす)が崎がある「羽山」、東に熊野山の「信夫三山」があります。最高地点は羽山の275㍍。ほぼ中央を信夫山トンネルが貫いています。
信夫山は、周囲を街に囲まれた里山です。これは全国でもとても珍しい「孤立丘」といわれる地形。そのため、東西南北から眺めることができ、見る地点によって、全く違った形の山になる不思議な存在なのです。
ですから、信夫山には360度の展望があります。例えば、西の鴉が崎からは、雄大な吾妻連峰・あだたら連峰と福島西部一帯が、東の第二展望台からは、福島競馬場が眼下に見下ろせ、阿武隈川の悠久の流れが見渡せます。他に7箇所の展望ポイントがあり、それぞれから福島の美しい景色を楽しむことができます。
さあ、これから毎週、わらじいと一緒に、信夫山の魅力を再発見していきましょう!
あなたは「昔々、福島盆地は大きな湖で、そこにぽっかりと信夫山が浮かんでいた」という話を聞いたことがあるでしょうか?
福島市の南に、旧4号国道から4号バイパスに繋(つな)がる、急坂(伏し拝み坂)があります。地名の由来は「その湖に浮かぶ信夫山を、はるかに伏し拝んだ」という説からきているのだそう。
その話の証拠に、伏し拝み神社には「舟繋ぎの石」があり、一方、信夫山墓地の中ほどにも、「舟繋ぎの松跡」があるのですよ。
さらに、土湯口の「舟引沢」や、佐原の土船にも「舟繋ぎ石」があり、梁川の舟生にもそれがあって、そして全てを結ぶ水平線に、ぽっかりと信夫山が浮かぶことになる、といった伝説もあります。おもしろいですね。
しかも、その湖には邪悪なオロチが住んでいて、周辺の人を苦しめていたというのです。そこで住民は、蝦夷征伐にきたヤマトタケルノミコトに頼み込んで、オロチを退治してもらいました。 オロチは、阿武隈急行線の兜岩駅の先にある「猿っ跳ね岩」を割って海に逃れたため、そこから湖の水がどっと海に流れ出し、豊かな信達平野ができあがったのだそうです。
来週は私「わらじい」についてお話ししていきたいと思います。
では、ここで改めて「わらじい」を紹介しましょう。信夫山の観光キャラクターとして登場した、かわいらしい仙人「わらじい」は、信夫山に奉納された大わらじから生まれ、年齢は300歳以上。元は羽黒大権現の仁王門の番人で、体はワラでできているそう。
なにしろ性格がよく、足の悪い人や恋人同士を見ると放っておけません。「わらじから生まれたから、足腰の壮健にはご利益抜群じゃ」と本人が保証。一方、縁結びも「二人で羽黒神社に参拝すれば、たちまち良縁が結ばれるはずじゃ」と公言しています。
わらじいの着ぐるみもあちこちで活躍。本物の奉納大わらじのワラが入った、かわいらしいお守りも販売しているのでぜひ手に入れて。わらじいを、あなたも応援してくださいね。
※ わらじいが勧める信夫山の4コース
ここでわらじいが、女性でも楽しく登れるコースをお薦め。まず、「信夫山大わらじのルーツを訪ねる旅」。旧参道は江戸時代の雰囲気を色濃く残す道です。その他、「鴉(からす)が崎と山伏の路」 「信夫山48石探索の路」「上級者信夫山トレッキング」などのコースも。(問い合わせは、信夫山ガイドセンターまで。)