その84 信夫山の未来 その1
信夫山の話も終わりに近づいてきました。
お話を読むことで、信夫山には、たくさんの物語や歴史、そして眺望や自然など、多くの資産があることが理解できたのではないでしょうか。
全国でもまれな、街の真ん中にある里山。第1話では、昔々、信夫山は大きな湖にぽっかり浮かぶ小島だったという伝説を書きました。だから信仰の中心地となり、山伏修験の山として大きく栄え、数々の史跡と物語が残されているのです。
その伝説には、実は、信夫山が山ではないという、驚きの事実が隠されていました。
そんな宝の山・信夫山を、今後、福島市民のためにどう生かして行ったらいいか、そろそろみんなで考え始める必要がありますね。福島市民のシンボルとして全国に発信しましょう。
信夫山には、東西南北に、素晴らしい絶景の展望台が整備されているし、道々には何気なく史跡や、伝説の奇岩があり、豊かな緑やさまざまな野草が楽しめます。花見山に比べても、四季を通じて観光や探索が可能な素晴らしい資産を持っているのです。
その85 信夫山の未来 その2
さて、みなさんは「着地型観光」という言葉をご存知でしょうか?
これは従来の観光のように、既存の美しい風景や名所旧跡をめぐるのではなく、「その土地に昔からある独特なもの、土地に住む人にとっては何でもない存在や風習が、実は本当の魅力がある観光資産なのだ」という考え方です。そんな視点で、信夫山を見てみるとどうでしょうか?
信夫山は、展望・自然・生成・歴史・伝説・冒険など、数え上げたらきりがない、まさに「着地型観光スポット」として全国にも希(まれ)な存在なのです。
街の真ん中にある信夫山の観光活用は、そのまま街の回遊人口・購買人口を増加させ、街を賑(にぎ)やかに活性化します。
また、みんなが信夫山の魅力を知ることで古里を愛する心が養われます。
信夫山の活用が、街を元気にするのですね。
その86 やっぱり信夫山はすごい
「わらじいと行く信夫山散歩」も、いよいよ最終回になりました。21ヶ月続いた連載コラムで、皆さんと一緒にたくさんの信夫山情報を学び、お届けしてきました。
時に伝説だったり、展望・冒険だったり、笑いあり涙ありでしたね。一方、歴史・文化・自然環境といった奥深い内容もありました。

- 信夫山博士・浦部博さん
記事は信夫山博士こと浦部博さんが担当。FMポコの「信夫山さんぽ」では、毎週、浦部さんが出演し、ふくしまボンガーズのしなだマンさんと明るく楽しい掛け合いで続けてきました。
おかげさまで「信夫山にそんな話があるのは知らなかった」「信夫山の魅力にびっくり」「信夫山をもっと知りたい」などたくさんの反響があり、信夫山に登る人が着実に増えています。
そんな中、平成28年に「信夫山ガイドセンター」が誕生。「信夫山から元気と希望を発信し、世界に福島の安全と安心をアピールしよう!!」という目的で、複合的な信夫山情報センター構想の元に、建設資金・運営資金を全て「ふくしま未来研究会」が拠出してつくられたものです。なんとオープン以来、1万2000人が訪れています。
やっぱり信夫山はすごい山だったのですね。